住宅総合調査協会ブログ

【社会問題】保険金不払い事件とは?保険金の受け取り方を解説!

万が一の時を想定して保険に加入しているものの、保険金をもらうのは難しいと思っている方が多くいます。

その理由の一つに保険金不払い事件があったことがあげられます。

この事件をきっかけに世間に保険金を申請しても受け取りが難しいという風潮が流れてしまいました。

しかし、現在はこの事件のおかげでしっかりと申請すれば保険金を受け取れます。

 

今回は、なぜ保険金の不払い事件が社会問題となったのか、保険金を正しく受け取るにはどうすれば良いのか、その具体的なポイントについてわかりやすく解説していきます。

 

 

保険金不払い事件とは?

保険金不払い事件とは、本来支払われるべき保険金が正当な理由なく、支払われなかった事件(不祥事)をいいます。

別名、保険金不払い事件と呼ばれており、保険業界の腐敗した部分が社会の明るみへとさらされ、社会問題として大きくとりあげられました。

 

たとえば、火災保険業界では、住宅が火事で焼け切っているにも関わらず、柱が1本残っているからといって全損ではなく半損で処理し、保険金を減額するといった事案が数多く発生していました。

 

このような被保険者に対して良心的とは言い難い対応方法が金融庁の目に留まり、各損害保険会社が保険金を被保険者が受け取れるよう金融庁が直接指導したのが、保険金不払い事件の真相です。

 

保険金不払い事件と言っても、その事案は多岐にわかれており、支払漏れ事案や不適切な不払い事案など、年度によって問題となる内容も多種多様です。その中でも。問題発覚のきっかけとなったと言われているのが2005年の保険金不払い事件です。

 

 

保険金不払いが発覚したきっかけ

2005年に、明治生命(現:明治安田生命)ではしご外し営業が発覚しました。

これが保険金不払い事件発覚のきっかけとなります。最初に健康上に問題が抱える人に「告知書には、なにも書く必要はありません。

そのまま書類をください。」と伝えます。

 

後日、保険金請求が行われると、「保険金加入前から症状がありますね。

これは告知義務違反なので保険金は支払いません。」と言われてしまいます。

こうなれば、契約時の記録をさかのぼる方法がないため、泣き寝入りするしかありません。

当時は、生命保険の不払い事件問題ばかりニュースで話題となっていましたが、この問題が火災保険の保険金不払い事件発覚にもつながっていきます。

 

 

火災保険で実際にあった保険金不払い例

保険金不払い事件は、火災保険業界でも実際に起きています。火災保険業界でよくある事例は、次のようなものです。

 

支払い拒否

ある日、自宅の門扉が台風の影響で倒壊してしまいました。住宅の管理者は、保険金で門扉を修理するため、火災保険を申請します。

しかし、保険会社は「門扉の倒壊は、自然災害が原因ではなく、地震の影響で倒壊してますね。

そのため、保険金の支払はできません。」と話し、支払いを拒むケースがよくあります。

 

他にも、強風による屋根の破損被害(自然災害)を経年劣化によるものと断定し、保険金が受け取れなかったケースなどもあります。

これは、保険金不払い事件でよくある支払拒否の事例です。

 

支払い漏れ

保険金の請求をした際、請求された場所以外は、保険金の支払いを行わないことを、“支払い漏れ”といいます。

悪徳な保険会社では、会社の利益を増やすため、“請求されたもの以外は、支払う必要はない”と考え、支払い漏れがよく発生します。

 

たとえば、台風の影響によって、雨樋が破損していることを知りながら、大きく被害が目立つ屋根しか保険金を支払わないといったケースです。

 

他にも、地震保険においては、地震補償金額の50%の支払いとなる半損と認定される被害規模でも、一部損害の5%しか保険金が支払われていないといったケースなどもあります。

ちなみに、壁にできたクラックは一部損害で保険金が下りますので、受け取り損にならないためにも頭の片隅に入れておきましょう。

 

請求勧奨漏れ

保険金不払い事件の事例のひとつに、“請求勧奨漏れ”があります。

請求勧奨漏れとは、保険金を申請できるにもかかわらず、その事案を案内しないことをいいます。

 

たとえば、大雪の被害による雨樋の破損は、保険金申請の対象になるにもかかわらず、政党に案内しないケースです。

 

虚偽申請と訴えられる

自然災害によって屋根が破損したため雨漏りを理由に保険金申請をしました。後日、鑑定人立会の際に、「これの被害は、自然災害ではない。

すべて経年劣化ですね。嘘をついたら虚偽申請にトラブルになりますよ。」と脅してくるケースがあります。

被保険者の多くの方は、この脅しに屈してしまって正当な保険金を受け取れません。

 

不当な火災理由で拒否される

放火による火事の被害を受けたため、火災保険の申請を行いました。

すると、「住宅の管理がいきとどいておらず、管理の悪さが原因なので、保険金は支払いません。」といわれるケースがあります。

 

明かに火災が発生する可能性のあるケースでは、保険金の支払いは認められないでしょう。

しかし、今回のような被保険者に特別責任を負う理由が見当たらない場合、保険金の申請を最後まですることが大切です。

 

これらの保険金不払い事件の事例は、氷山の一角にすぎないものでしたが、社会問題として大きくピックアップされたことから多くの保険会社で業務改善命令や業務停止が行われました。

 

 

保険金を正しく受け取るための重要なポイント

損害を補うのに十分な保険金を正しく受け取るにはどうすれば良いのでしょうか。

次に、保険金を正しく受け取るために覚えておきたい重要なポイントについてご説明します。

 

【ポイント1】信頼できる住宅診断士、または屋根業者を見つける

保険金を受け取るには、信頼できる住宅診断士、または屋根業者に、住宅の被害状況を診断してもらう必要があります。

一見すれば住宅の被害状況の診断は、プロの住宅診断士に相談しなくても自分の判断できると考える方もいるかもしれません。

 

一見簡単そうに思えても、長年の経験や知識を使って、しっかりと保険金の申請手続きをしなければ、正当な保険金額を受け取ることはできません。

そのため、しっかりとした実績を有しており、経験値の高い信頼できる住宅診断士や屋根業者を探してください。

 

【ポイント2】保険会社へ早めに相談する

住宅診断士や屋根業者から診断結果の見積もりを受け取るには、1週間程度かかることがあります。

見積書を受け取ってから保険会社へ連絡していたのでは、保険金を受け取るまでに多くの時間がかかってしまいます。

 

そのため、見積書ができるまでに保険会社へ連絡して、保険金の申請に必要な書類を送り届けてもらいましょう。

 

【ポイント3】見積書や診断結果、写真データを説明してもらう

住宅診断士や屋根業者に住宅診断をしてもらったら、見積書や診断結果、写真データについてしっかりと説明を受けましょう。特に、住宅診断の結果、どのような被害があったのかについて不明点はすべて質問しましょう。

 

他にも、すべての被害を修繕するには、どれくらいのお金がかかるのか具体的な数字を提示してもらうことをおすすめします。

 

もし、会話の中でなにか不安がある場合は、スマートフォンで録音しておく、または下記のように紙にメモを残しておきましょう。

 

【メモ内容】

・日付

・担当者の訪問時間

・担当者名

・被害状況

・修繕にかかる費用

・申請手続きの詳細

・メモの内容に対する相手の同意(サイン)

 

これで、後日、おかしな点があっても「言った」「言わない」などの水掛け論問題に発展するリスクを抑えることができます。

 

 

火災保険・火災共済の申請はぜひ当協会まで

現在では、どの損害保険会社もしっかり被害状況を調査したうえで、適正な保険金額を支払ってくれるようになりましたが、自然災害の損傷を教えてくれたり、積極的に申請を勧めたりするということはありません。

 

保険金の申請には、一般の方が想像するよりも多くの時間と手間がかかります。

当協会に住宅調査をご相談いただければ、書類の作成から申請、立会いまで、丁寧にサポートいたします。

 

当協会は、保険金不払い事件を受けて、多くの人が正当に保険金を受け取れる社会の実現を目指しています。

年間1000件以上の住宅調査を実施する当協会に一度ご相談いただけると的確なアドバイスができます。

 

火災保険や火災共済の申請手続きでお困りの方は、お客様の利益を最優先で考える当協会に安心してご相談ください。