住宅総合調査協会ブログ

雨樋に最適な素材の種類は?塩ビや銅、アルミの違いを比べてみよう!

目次

  1. 雨樋に使用される主な素材とは?
  2. 【2014年】関東の大雪で被害が大きかった雨樋とは?
  3. 雨水から住宅を守り、建物の寿命を大きく伸ばすという重要な役割を担った雨樋。

     

    雨樋は、住宅において非常に重要な意味を持つパーツです。

    過酷な気象現象を耐え抜くには、24時間365日どんな環境にも負けない耐久性のある強い素材を選ぶ必要があります。

     

    今回は、雨樋の修繕工事で利用されている主な素材の種類と塩ビや銅などの他の素材の違いについてわかりやすく解説していきます。

     

    雨樋に使用される主な素材とは?

    常に雨風にさらされている雨樋は、建築パーツのなかでも劣化しやすく場合によっては、大きく変形してしまうこともあります。

     

    日本のようなハードな気象条件下では、一般的に下記の種類の雨樋が利用されます。

     

    【雨樋の素材一覧】

    • 塩ビ
    • アルミ

     

    まずは、それぞれの違いについてご説明します。

     

    塩ビの特徴とメリット・デメリット

    塩ビの雨樋は、硬質塩化ビニルと呼ばれるプラスティック素材で形成されています。

     

    ホームセンターや資材屋さんなどで手軽に購入できるため、住宅リフォームや部分修繕で利用されます。

    塩ビの雨樋を利用するメリットとデメリットは、下記のとおりです。

     

    【メリット】

    • だれでも手軽に購入できる
    • 種類が豊富にあるため、住宅の形状に合わせやすい
    • 組み立てが非常に簡単にできる
    • 雨風が当たっても錆びない
    • 価格が安い

    【デメリット】

    • 雨風や紫外線による劣化が起きやすい
    • 経年劣化によって割れなどの破損が起きやすい
    • 10年前後で交換メンテナンスが必要になる

     

    銅や鉄の雨樋と比べてもっとも手軽に購入しやすい素材ですが、20年以上長く使い続けることを考えるのであれば、少し耐久性に不安が残ります。

     

    ただし、リフォームや簡易的な部分修繕で使い勝手が良いため、主流となっております。

     

    ただ、当協会で雨樋の修繕工事をご依頼されるお客様のほとんどがパナソニック製のアイアンという製品を利用します。

    参考:https://sumai.panasonic.jp/amatoi/aian/

     

    一見塩ビの雨樋に見えますが、実は中にスチールの芯が入っており耐久性能を上げた製品となっております。

     

    雨樋の断面図をご覧ください。

     

    なお、アイアンは高耐候性特殊樹脂と硬質塩化ビニル樹脂、亜鉛処理スチール芯の3つの素材で形成された製品です。

    アイアンの雨樋を利用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

     

    【メリット】

    • 日差しや大雪などの天候による劣化に強い
    • 強風による飛来物の衝撃に強い
    • 大雪が降ったとしても破損につながりづらい
    • 強い日差しにあたっても、変形しない
    • 変色や退色、紫外線に強い
    • デザインが住宅となじみやすい

    【デメリット】

    • 機能性やデザインによっては、
    • 他の素材の2倍以上の価格になる

     

     

    銅の特徴とメリット・デメリット

    和風建築の住宅には、銅製の雨樋が採用されることが多々あります。

     

    銅は、錆びづらく加工しやすいという特性から昔は一定の需要があり、多くの住宅で利用されていました。

     

    しかし、建築技術の向上により、現在は銅以外にもアイアンやステンレスなどの雨樋素材が選ばれる機会が増えています。

    また、気象の変化や瓦屋根との相性、20年~30年で穴があくという事例報告から雨樋としての使用機会が減少傾向にあります。

     

    銅の雨樋を利用するメリットとデメリットは、下記のとおりです。

     

    【メリット】

    • 塩ビの雨樋よりも耐久性がある
    • 雨風にあたっても錆びづらい
    • 時間の経過とともに、住宅パーツとして風格を感じられる

     

    【デメリット】

    • 他の雨樋素材と比べて高額になりやすく、場合によっては5倍程度の差がある
    • 20年~30年で酸性雨の影響で穴があいてしまうことがある
    • 銅の青緑色により、住宅を着色してしまうことがある

     

    銅製の雨樋は、他の素材と比べて価格が高いため、

    住宅パーツに対して強いこだわりのある方におすすめです。

     

    鉄の特徴とメリット・デメリット

    鉄の雨樋は、丈夫で長期的に使用できることが大きな特徴です。

    鉄の雨樋を利用するメリットとデメリットは、下記のとおりです。

     

    【メリット】

    • 丈夫で長持ちしやすい

    【デメリット】

    • 手作業による板金加工が必要になる
    • 価格が高い
    • 雨によって錆びやすい

     

    近年は、板金の技術を有する職人が減っており、鉄の雨樋が使用されるケースはほとんどありません。

    また価格も高く錆びやすいため、塩ビなどの他の素材の方が使い勝手が良いといえるでしょう。

     

     

    アルミの特徴とメリット・デメリット

    アルミは、塩ビの雨樋よりも重量が軽く錆びづらいことが素材の特徴です。

    しかし、加工が難しいため住宅雨樋として取り扱われるケースは少ないです。

     

    アルミの雨樋を利用するメリットとデメリットは、下記のとおりです。

    【メリット】

    • 耐久性が高い
    • ほとんど錆びることがない
    • 熱による体積変化が少ない

    【デメリット】

    • 加工が難しい
    • 値段が高い
    • 素材自体がやわらかいので変形しやすい

    アルミは、カラーやデザイン性の自由度が低く塩ビよりも価格が高い素材です。

     

    ただし、継ぎ目のない長い雨樋を作ることができるため、住宅へのこだわりのある方に愛用されています。

     

    【2014年】関東の大雪で被害が大きかった雨樋とは?

    雨樋は、地域ごとに取り付け方が異なることをご存知ですか?

    一般的に取り付け先の気象条件や環境に応じて、金具を付けるピッチの幅や軒から出す幅などを変えます。

     

    たとえば、積雪の多い地方では、屋根からの雪の落下により軒樋の破損を防止するため、屋根の軒先から離して取り付けます。

     

    ちなみに、2014年の関東の大雪で被害が多かったのが、家に合ったサイズの雨樋が付いておらず、適正サイズより大きい雨樋が付いている住宅でした。

     

    被害が多い理由は、雪が雨樋に積もり、重みで歪んでしまったことです。

     

    雨樋は、大きければ良いというわけではありません。

    家ごとに合ったものを選ばなければ、逆に損傷を招いてしまうことがあるため注意しましょう。

     

    もし、台風や積雪などの自然災害により雨樋を破損してしまった場合は、火災保険を利用し自己負担0円で修繕できる可能性があります。

     

    まずは、当協会の住宅総合調査協会で保険金での支払いが可能か無料診断を受けてみませんか。

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