住宅総合調査協会ブログ

【火災保険の申請】地域ごとに違いは?保険料の支払い状況を解説

目次

  1. 火災保険調査エリアの気候の特徴
  2. 火災保険の保険金の支払い状況
  3. 火災保険は、トラブル発生時にお金で助け合うための制度
  4. 一般社団法人 住宅総合調査協会は、

    埼玉県さいたま市岩槻区、

    茨城県土浦市、

    栃木県宇都宮市、

    群馬県前橋市に店舗を構え、

    周辺エリアの住宅調査を行っております。

     

    年間1,000件を超える調査実績を重ねていく中で、地域ごとに明確な違いがあることがわかりました。

    今回は、地域によって火災保険の申請にどのような違いが生じるのか、保険料の支払状況も含めてわかりやすく解説していきます。

     

     

    火災保険調査エリアの気候の特徴

     

    埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県では、気候に大きな違いがあるため、毎年調査内容に偏りが見受けられます。

    まずは、火災保険調査エリアの気候の特徴についてご説明します。

     

     

    埼玉県の気候の特徴

    埼玉県は、太平洋側の気候に属し、1年を通して空気が乾燥しています。夏は高温でひょうや雷の発生が多く、冬は強い北西の季節風の影響を大きく受けます。

    台風の襲来はあるものの、強力な勢力をもったものが到来することは少ないです。

    季節の変化は1年を通して規則正しく、生活しやすい環境といえるでしょう。

     

    しかし、雷や台風などの自然現象が毎年発生しており、6月~7月中旬ごろになると梅雨の影響を大きく受けます。

    特に、9月~10月初めは雨量が多くなるため、雨漏りの被害が発生していないか定期的な点検をおすすめします。

     

     

    茨城県の気候の特徴

    茨城県は、関東平野が広がっており、平均気温が14.8度と安定しているため、人が住みやすい都道府県として知られています。

    海岸線が190kmもあり、東の筑波、西の富士などと称されるほど、自然豊かな環境です。

    平野が広がり、平地が多いため、冬の時期を迎えても積雪が少なく雪害の被害を心配する必要がありません。

     

    ただし、7月~9月にかけての台風被害には十分に注意する必要があります。

    実際に2015年5月に発生した、”関東・東北豪雨”では、台風の影響によって線状降水帯が各所で発生し、鬼怒川が決壊しました。

     

    また、5700棟もの建物が全半壊したため、記録的な被害へとつながりました。

    そのため、水害被害を受けた方は、家屋に損壊がないかチェックしてみましょう。

     

     

    栃木県の気候の特徴

    栃木県は、白根山や男体山などの山々がそびえたち、中央から南部にかけて平野が広がっています。

    東日本型の気候で夏は雷が多く、冬に突風が吹くなど、朝の冷え込みが厳しいことで知られています。

     

    9月になると秋雨前線が停滞するため、天気が悪くなりがちで台風によって家屋に被害が生じやすいです。

    12月には、初雪が観測され、2月になると大雪になることがあります。

     

     

    群馬県の気候の特徴

    群馬県は、日本列島の中でも中央に位置しており、県北や県西に山々が連なり、関東平野が広がる内陸県として知られています。

    北部や西部に山地が多い群馬県は、地域によって気候に偏りがあります。

     

    平野では、太平洋の気候と内陸という要素が重なり、夏の時期は非常に暑くなります。

     

    強い日光によってあたためられた空気は、山を上がって雷雲へと変化します。

    そのため、雷による被害が多く、冬は季節風の影響によって、大雪になります。

     

    群馬県は、災害が少ない都道府県と思われがちですが、その思い込みは非常に危険です。

    なぜなら、地球温暖化の影響によって台風の進路が関東に直撃するように動くケースが増えており、特に群馬県に向かう傾向があります。

    そのため、台風によって暴風や大雨などの影響を受けた場合は、に損傷がないかチェックしましょう。

     

     

    火災保険の保険金の支払い状況

    火災保険の自然災害に対する保険金の支払額は、年々上昇しています。

     

    次に、保険金の支払額がどのように変動しているのかをご説明します。

     

     

    火災保険の保険料の支払額が上昇している

    損害保険料率算出気候の”2018年度版火災保険・地震保険の概況”を参考に保険金の支払額の推移を確認していきましょう。

     

     

    引用元:P23保険金(支払い)の状況

     

    保険金の支払額は、年度によって多少の変動があるものの、緑色の棒グラフに該当する火災や落雷、破裂、爆発などには、特に大きな変動は見受けられません。

    しかし、オレンジ色の棒グラフに該当する風災やひょう災、雪災、水災などは、2009年~2016年にかけて保険金の支払が増加傾向にあります。

     

     

    火災保険は火災による保険金の支払が減少傾向にある

    一般的に、火災保険というと火災による損壊によって支払われるものだと思われがちです。

    しかし、火災保険の支払は、自然災害が大半を占めるため、火災による保険金の支払は減少傾向にあります。

    引用元:P24火災による支払概況

     

    上記の推移グラフのうち2016年度に一時的に保険金の支払額が上昇していますが、これは新潟県糸魚川市の大規模火災の発生が大きく関係しています。

    そのような事件を除けば、消防法や建築基準法の規制強化により、住宅の出火件数が減少傾向にあります。

    引用元:P24住宅の出火件数

     

    上記の出火件数のデータからは、建物の不燃物化や消火、消火設備の普及が進み、住宅出火の少ない安全な社会になりつつあることがわかります。

     

     

    火災保険の保険金の支払額が増加傾向にある理由

    自然災害による火災保険の支払額が増加傾向にあるのは、世界中で問題視されている異常気象や地球温暖化が大きく関係しています。

    以上気象や地球温暖化の最大の原因は、環境破壊です。

     

    異常気象が増加し地球温暖化が進むと、台風の発生や降水量が増加するという研究報告があります。

     

    損害保険料率算出機構が集中豪雨の年間観測回数の平均値をまとめたデータがありますので、こちらを確認してみましょう。

    引用元:P27集中豪雨の年間観測回数の平均値

     

    1993年~1997年にかけて、集中豪雨の回数が急激に上昇しています。

    以上気象が関係していることは間違いありません。

     

    次に、下記の自然災害による

    支払状況に関するデータを見てみましょう。

    引用元:P24自然災害による支払状況

     

    自然災害による火災保険の保険金の支払は、2011年以降より台風や豪雨によって高額になる傾向が続いています。

    2013年に火災保険の保証金・支払件数ともに、大きく伸びていますが、これは関東・甲信地方で発生した雪災によるものです。

     

    自然災害の発生件数や規模によって支払状況のグラフには大きな変動が見られますが、全体的に火災保険の申請が増えていることがわかります。

    ここ10年の平均では年間約632億円もの金額が自然災害の被害の修繕費で支払われています。

    それだけ多くの人が保険金の申請をして、お金を受け取っているということです。

     

    つまり、これは火災保険で自然災害が補償されることが周知され始めている証拠と断言していいでしょう。

     

    火災保険は、トラブル発生時にお金で助け合うための制度

    自然災害によって屋根や雨樋が破損してもお客様の中には、火災保険の保険金を受け取ることに強い抵抗がある方もいるでしょう。

    そもそも、保険というものは、困ったときにお金で助け合うための制度です。

    火災保険は、万が一に備えるために、お金を払って加入しているはずです。

     

    そのため、台風や防風、雨漏り、積雪などの自然災害によって被害を受けているのであれば、保険金の申請をすることは恥ずかしいことではありません。

    むしろ、申請しなければ何のためにお金を払って加入しているのかわかりません。

     

    ここ10年の平均では、年間約632億円もの保険金が支払われているのですから、自分の家も保険金受取の対象となっている可能性が十分にあるということです。

    もし、火災保険の申請について質問したいことがある場合は、「住宅総合調査協会」にご相談ください!

     

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