住宅総合調査協会ブログ

水災が火災保険で補償されるって、ホント?

目次

  1. 水災とは
  2. 水災補償の補償範囲とは?
  3. 水災による被害例
  4. 火災保険緒水災補償の申請方法
  5. 罹災証明と助成金を使っての修繕方法
  6. 水災被害を受けたら当協会に相談しよう!

 

 

戸建て住宅やマンション、ビルの1階に住んでいる方や、河川・海・山林の近くに住んでいる方は、水災による影響や危険を想定しておくことをおすすめします。

 

たとえば、関東地方における最近の水災として、平成27年9月の鬼怒川の氾濫が記憶に新しいでしょう。東北地方南部から関東地方北部にかけて24時間雨量が300ミリ以上の豪雨を記録し、堤防が決壊・河川が氾濫したことで大きな洪水被害が発生しました。

 

その際、当協会では、実際に床上浸水した住宅の調査に行きました。しかし、床下浸水では水災補償から外れたり、水災の被害に遭われた方が水災補償をつけていなかったり、浸水した住宅の後処理が想定より大変だったりと、事前に知っておけばよかったことが多くありました。

 

今回は、水災被害によって苦しむ方を助けるため、火災保険の水災補償の補償範囲や被害例、保険金の申請方法について解説していきます。

 

 

水災とは?

水災とは、暴風雨や台風、豪雨によって生じる洪水や土砂崩れ、高塩による災害をいいます。自宅近くに河川や山がないからといって、水災の被害に遭わないわけではありません。

なぜなら、大量の雨が降ると道路の側溝やマンホールから行き場を失った雨水があふれ出し、都市型洪水が生じるケースが増えているからです。

暴風雨や台風などによって水災被害を受けた場合、火災保険の水災補償を利用することで被害に対する補償を保険会社から保険金として受け取ることができます。

 

たとえば、国土交通省の調査によれば平成27年9月の鬼怒川で発生した集中豪雨では、床上浸水が3147棟にも及んでおり、これらの住宅は水災補償の対象となる可能性が高いです。

 

 

水災補償の補償範囲とは?

一般的な火災保険の水災補償の補償範囲は、次のようなものです。

 

【水災補償の補償範囲】

・建物(家財)の保険価額に対して30%以上の損害が発生している場合

・床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水によって損害が発生している場合

 

火災保険の基本補償のひとつである水災補償と契約していても、上記の補償範囲に該当しなければ、保険会社から保険金の支払いを受けることができません。なお、床上浸水とは、居住部分(床や畳)を超える浸水をいいます。そして、地盤面とは、周囲の地面と住居が接する位置の平均的な高さをいいます。ただし、住宅内に地下室があり、床面が地盤面より低い場合は、その床面を地盤面と考えます。

 

 

水災による被害例

水災と聞くと、「気象現象によって生じた水による被害では?」と考える方がたくさんいます。水災は、気象現象によるものだけでなく、水によって間接的に生じた被害も含んでいます。次に、水災の具体的な被害例をご紹介します。

 

洪水による被害

平成27年9月関東・東北豪雨では、茨城県常総市付近の鬼怒川で越水や漏水が発生し、堤防が決壊して住宅街に水が流れ込みました。

 

浸水による被害

上記のような洪水が原因で、住宅街に流れ込んだ水で浸水し、平成27年9月関東・東北豪雨では、5000棟以上の家屋が全半壊しました。

 

関東以外でも、令和2年7月豪雨では、熊本県球磨川でも豪雨の影響で川が氾濫し、付近の住宅が浸水し甚大な被害をもたらしました。

 

高潮による被害

令和元年台風第16号では瀬戸内海に大量の海水が流れ、沿岸で高潮が発生し、香川県では21817棟、岡山県では10780棟、広島県では7525棟で床上・床下の浸水被害が発生しました。

 

 

火災保険の水災補償の申請方法

実際に、台風や暴風雨などによって水災被害を受けた場合、火災保険の水災補償を受けるには、どのような手続きが必要となるのでしょうか。次に、水災補償の申請方法をご説明します。

 

水災被害の報告

まずは、契約先の保険会社へ水災被害を報告します。次のことを伝えましょう。

【報告内容】

・契約者氏名

・住所

・保険証券番号

・水災発生日時

・水災被害の状況

・報告目的

 

わかる範囲で構いませんので上記について申告し、保険会社から保険金の請求に必要な案内を受け取ります。

 

保険会社に必要書類を提出

保険会社から保険金請求の案内を受け取ったら、必要書類を揃えて提出します。火災保険の水災補償を利用する場合、一般的には次の書類が必要となります。

 

・罹災証明書

・保険金請求書

・修理業者から受け取った報告書や修理見積書

・水災状況がわかる写真や画像データ

 

水災補償での修理対象が建物で保険金の請求額が高くなる場合は、建物登記簿謄本や印鑑証明書の提出を求められることもあります。

 

保険会社による現地調査

保険会社は、必要書類を受け取ったら水災状況を確認するため、現地調査を行います。現地調査では、水災状況の写真や画像データに基づいて、保険金の支払いが妥当であるのか審査を進めます。水災被害が水災補償の対象と承認されると、損害保険金額が決定されます。

 

保険金を受け取る

保険会社の現場調査によって受け取り可能な損害保険金額が決定したら、指定の銀行口座で保険金を受け取ります。これで、火災保険の水災補償による保険金申請手続きは、完了となります。

 

 

罹災証明と助成金を使っての修繕方法

水災被害に遭ったら罹災証明と助成金を使うことで住宅を修繕できます。次に、住宅を修繕するまでの流れについてご説明します。

 

罹災証明を申請する

住宅が水災による被害を受けた場合は、どれくらいの被害を受けたのかを行政に認定してもらうために罹災証明を申請します。罹災証明があれば、住宅修理や再建に関するさまざまな支援が受けられます。

 

手続きの仕方については、市区町村のホームページで確認できます。罹災証明を申請すると、市区町村の職員が水災の被害状況を確認します。被害認定は、次のようになります。

 

・全壊

・大規模半壊

・半壊

・半壊に至らない床上浸水(単純に床上浸水と掲載されるケースもあり)

・床下浸水

 

2階建てにお住まいの方は、1階と2階を個別に調査し、総合評価を下します。

 

助成金で修繕する

罹災証明を受け取ったら、助成金を利用して住宅を修繕します。さまざまな助成金制度がありますが、その多くが半壊以上を支援対象としています。住宅修繕に利用可能な支援制度は、次のものです。

 

・災害救助法の応急修理制度(半壊以上が対象)

・被災者生活再建支援法の支援金(大規模半壊以上が対象)

 

実際に、どのような助成金制度が利用可能なのかは、市区町村の自治体によって異なります。まずは、どれが利用可能な助成金制度なのか調べることから始めましょう。

 

たとえば、平成27年の関東・東北豪雨による災害救助法の応急修理制度の1世帯あたりの限度額は56万7千円となっています。

参考:2015年(平成27年)関東・東北豪雨による災害

 

被災者生活再建支援法の支援金は、全壊で100万円、賃借で50万円が加算支援金として受け取れます。これらの助成金制度で受け取ったお金は、速やかに住宅の修繕費として使っていきましょう。

 

水災被害を受けたら当協会に相談しよう!

近年、集中豪雨による記録的な大雨によって大きな被害を耳にするケースが増えてきています。火災保険の水災補償を利用すれば、大雨や土砂災害によって被害を受けても保険金受取の補償対象となる可能性が高く、受け取った保険金で住宅を修繕できます。

 

もし、住宅に水災被害が確認できるのであれば、当協会で水災補償の保険金の受け取りが可能なのか、無料調査してみませんか?

 

当協会は、非営利組織としてお客様の利益第一に年間1000件以上もの住宅調査をしています。水災補償の保険金申請でお困りのことがあれば、しっかりサポートいたしますので、なんでもご相談ください。

 

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